こちらのページでは、ララミー製品に使用している素材についてご紹介いたします。
素材について
ララミーの製品は、1870年~1920年代の製造方法で仕立てた素材を織り合わせて製作しています。
それは、古くに使われた製品には、自然の素材ならではの匂いと手触りを感じられるからです。
そして使う程、それぞれの素材が引き立て合い、まるで四季折々木々の紅葉のような経年変化を体験できるでしょう。
あなたが、自然素材を通じ「年代物」に育てることで、きっと愛着を持てるアイテムとなる事をお約束します。
素材もくじ
ヌメ革
全製品の革に姫路産の「ヌメ革」を使用しております。
兵庫県姫路は全国有数の皮革産地であります。そこで、昔ながらの製法で丁寧に作り出されるヌメ革は、他では味わえない奥深さがあります。
ヌメ革とは、化学薬品を一切使わず、動物の皮を、植物(ミモザの樹皮)から抽出される渋(植物タンニン)でじっくりとなめし仕上げた革のこと。
この植物なめし革は、世界的にも希少になります。量産のできない製法で、自然の素材を自然のままになめした天然皮革だからです。
時々、自然素材ならではの穴なども発見できます。これも、ヌメ革を直接感じられるのが素上げの革と言います。
素上げのヌメ革
素上げヌメ革とは、染色・塗装など表面加工していない無垢の革・・・もしかしたら「初めて聞く」という方もいるかもしれません。
なぜなら、素材が均一でなく扱いが難しいので、市場にはあまり出回らない革だからです。
革は、自然なベージュ色をしていて、硬くしっかりとた手触り。そして、さらさらした感覚が特徴的です。
表面には、植物なめし革の特徴である「自然にできた細かな模様」が現れています。
箇所によって皮革の密度の違いで現れる濃淡や牛のキズも、そのまま残っています。
機能性でも、表面温度は金属と比べ冬は暖かく、夏は冷たく感じます。一度、その温度感と滑らかさに触れさえすれば、ご説明は不要かと思います。
このように素上げヌメ革では、自然の革、本来の質感とエイジングを感じることができます。
手にした時からエイジングは始まる
ヌメ革は、経年変化が感じ取れやすい素材です。
そして、丈夫で長く使えるので、時間をかけて使い続けるうち、ゆっくりと手に馴染んでいきます。それは、手の脂がしみ込み、摩擦が加わると艶が増し、柔らかくなる革。
また、日光や紫外線により、革に含んだ渋やオイルに反応して色もすこしずつ変化します。
そして色が次第に濃くなり、深みのある香ばしい飴色へと自然なエイジング(経年変化)が始まります。
新品より良い状態になっていく無垢のヌメ革。自分だけの唯一無二の作品に育てられる最高の革です。
その100%天然素材で仕上げたその革は、毎日触れるたびに手に馴染み、色の熟成する感覚を覚えるでしょう。
これからレザーアイテムを使い始める方にも、一度素上げのヌメ革の素材その力を感じてください。
デニム生地
古き良きアメリカのビンテージ品質を再現した最高品質のデニムを使用。
徳島県の阿波正藍(あわしょうあい)染め繊維を、岡山のヴィンテージ織機で織り込んだJAPAN MADEのセルビッチデニムです。
その、ノンウオッシュ生デニムの生地は、目が荒く織り込まれ特徴的な表面に波を打つ風合いに仕上がっています。
その奥深い濃い藍色の生地は、使う程、立体的なアタリやヒゲなどが浮かび、本格的な経年変化をするものです。
洗えば洗うほどに鮮やかなに変化します。
通常、色落ちや傷などダメージできると価値が下がるのが普通ですが、セルビッジデニム生地においては良い色落ちやダメージ感のあるものに高い価値感を生み出すことができます。
そして、その綿100%自然素材を毎日気軽に使ってください。
日常に取り入れ、気兼ねなく濡れた手を拭いたり、汚れや破れの心配もせず使え、それでも清潔感があるからです。
そんな、ビンテージデニムの贅沢な質感を手軽に感じてみてください。
こちらも革同様、本物の独特な色落ちをしていきます。
糸
麻・綿
自然素材の麻糸または綿糸を使用しております。
これは、本革や生地にしっくりと馴染む質感と色が特徴です。
繰り返し使う程、適度に擦れ色あせ、経年変化するので、味わい深くなり革と生地を引き立てます。
麻糸
手縫い縫製では、麻糸、Ramie=「苧麻」を原材料としている糸を使用しています。
縫製する前に、擦れ強度を上げ、質感を高めるために蝋を十分に染み込ませています。
麻糸は自然のものであり、仕入れ時期により微妙に色合いに差があったり、
麻特有のネップ(糸をつくる時にできる太さが不均一な部分)があり、
自然素材のヌメ革にしっくりと馴染む質感と色が特徴です。
綿100%糸
ミシンでは、1960年頃までに作られていた糸を復刻した、綿100%の糸となります。
それは1950年代、当時の製品は、綿100%の糸と自然素材の生地との相性がよかったので、製品とステッチ糸が共に色落ちすることで、まとまりのあるエイジングをしていました。
使う程きれいな発色をする糸の理由は、ポリエステルの糸との違いにあります。それは、洗い加工や、経年劣化時にインディゴ染料など他の要因にほとんど影響されないので、徐々にもとの色が褪せていき、黄色系の色へと褪色していきます。
なので、生地だけがビンテージの自然素材でも、糸に化学繊維が入ることで当時そのものの風合いは表現できないと考えております。
ファスナー
1930年代のアメリカのアンティークな質感とデザインを忠実に再現した日本製ジッパーを使用しています。
テープは、旧式の織機で織った綿糸100%で、金具は当時のデザインを復元しています。
そのため、ジッパーが経年変化を起こし、革やデニムとの相性が非常に良く、合わせた素材が引き立ちます。
アンティークなデザイン「WALDES社」ジッパー
WALDESは1930年代のアメリカで実在していた歴史あるジッパーブランドです。
その当時の製法と規格を忠実に復刻した日本製ジッパーとなります。
1930~40年代当時の製法と規格が忠実に再現されており、デザインとともにこだわりの製品となっています。
※初めはスライドが固めですが、お使いいただいていると角が取れてスムーズになっていきます。
1930,1940年代当時の製法と規格を忠実に再現。
スライダー、オープン金具、止め金具は当時のデザインを再現しています。
テープ(ジッパーの脇の布の部分)は綿糸100%を使い、昔ながらの力織機で織っています。
綿100%のテープは自然素材の柔らかい素材感が特徴です。
コードは別で綿糸100%を撚り合わせ、テープに丁寧に縫い付けています。
エレメントにメッキは施していません。その為に、Zipperが革やデニムとともに経年変化を起こします。こだわりのヴィンテージ感を生み出します。
最後に、
アメリカ開拓時代の素材で感動していただきたい
一般的にオールドビンテージと言われる1900年代前半。これらの多くの素材は、革、生地、糸、ひとつ一つは自然素材で作られていました。
しかし現代では、あまりビンテージに育つ製品があまり出回りません。なぜでしょうか?
その理由は、現代の量産品で使えない素材が使われているからです。
それは生産上、扱いが難しく、機械化の大量生産には不向きな面があったと考えられます。
例えば、糸一つとっても綿糸は、材料コストがポリエステルより多くかかり、そして機械生産では扱いずらいことから量産には敬遠されているようです。どれも実は生産側の理由があるといえます。
それは、製品を「ぱっと」見てもすぐに伝わらないかもしれません。
でも、きっと手に取って使えば使うほどわかってもらえる・・・
そして、そうすることで、もっと自然の素材との生活を楽しんでいただける・・・
そんな気持ちから、私たちは見えないところまで手を抜かず、ビスポークに近い造りこみをしているのです。
そう。そのこだわりこそがララミーの創造性とクラフトマンシップの根源にあります。
ララミーレザーは最高に美しい無垢の製品をお届けし、あなたの暮らしにそっと寄り添います。